リネージュを始めたての頃は、とにかくクランの、人の役に立ちたかった
その為には、ただひたすらに強くなること
それが俺を育ててくれた先輩方に出来る、唯一の恩返しだと思っていた
まだLv52が神扱いだった時代、エルフじゃ補助的な役割しか担えないと限界を感じていた俺は、後に実装されたDEにすぐさま飛びついた
これを育て上げれば、PTの先頭に立てる
万難を排し露を払い、常に矢面に立ち先陣を切る重要な役割を担える
そんな期待を抱き、生まれたのが今のDEだ
アルバレストという名前も、そんなPTの『矢』であるようにという願いを込めてつけた
いくつかのクランを渡り歩き、旋律の響き血盟という無二の居場所を見つけた時、俺の中で強くなりたいという思いは一層確固たるものになった
それまでの適当な狩りスタイルを戒め、自身にノルマを課し、ゆっくりと、だが着実にLvを上げていった
4年という歳月を経て、ついに念願の52になった時は本当に感無量だった
だが、その時は既にLv60+が台頭しており、今の強さに満足しているようじゃ、当初の目標は達成出来まいと、気を緩めず育成に励んだ
lv55でもまだ足りない、Lv60でも僅かに及ばない
そうして頃合を見計らって一気にレベルを上げ続け、ついに先日Lv65を達成した
ようやく到達出来たそれなりの強さ
今ならキャラクター作成当初夢見た、『矢』の役割も存分に果たせるだろう
だけど、恩返ししたかった先輩方はとうに引退し、拠り所だった旋律も、クラン員の多忙の為形骸化してしまった
65になってようやく、気がついた
いつしか、過程が目標となってしまっていたことに
『矢』となる為に強くなるのではなく、ただ強くなる為にプレイし続けてきたということに
強くなった先に夢見てきたものは今はなく、ただLvが上がったという事実だけがあった
・・・・・・今、俺は何を求めてリネージュをしているのだろう?PR