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LV62の時、当時はまだ異端だったINT型へ転向しました。
現在はイリュージョニストをメインに活動しています。
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まずこちらをご覧下さい。
http://ubonpage.at.infoseek.co.jp/Kudryavka.html

URL踏むのが怖いという方は、そのまま続きをお読み下さい。


彼女の名前はクドリャフカ Kudryavka 可愛い巻き毛のおんなのこ

e29637b0.JPG








1957年10月4日――――――。
人類史上初の人口衛星「スプートニク(sputnik. ロシア語で「衛星」)1号」がソビエト連邦の手によって打ち上げられ、57日後に大気圏に再突入し消滅。

冷戦下の敵対国であったアメリカを含む西側諸国では、宇宙開発においてソ連に先を越されたことに激しい衝撃が走った。メディアは毎日のように ニュースで取り上げ、西側諸国の指導者達は頭を抱えた。その衝撃の大きさは翌年にNACAを母体としてNASAを設立、国の威信をかけた有人宇宙飛行を推 進する体制を構築するほどのものだった。これを「スプートニク・ショック」という。

しかし、このアメリカの「スプートニク・ショック」に驚いたのは他でもない打ち上げに成功したソ連だった。西側のメディアが予想以上に大騒ぎして いることを知ったソ連は次に打ち上げを計画していた2号の衛星を10月革命40周年記念日である11月7日にあわせて打ち上げることを協議し始める。

1号打ち上げからわずかに1ヶ月・・・。それは無謀としか言えない計画だったのではないだろうか?

確かに、スプートニク2号はその時既に船体の大部分を完成させていた。また、始めから生き物を宇宙に送り出すことを想定し、「宇宙犬」として20 頭以上の犬が訓練されていたらしい。
そして、その中で、一番成績が良かったおんなのこが「クドリャフカ(Kudryavka)」だった。後に「ライカ」と改名されて宇宙船に乗ること となる。

打ち上げ予定は11月3日に設定されたが、クドリャフカはその3日前にケージにセットされ、殆ど身動きできない状態で固定された。

帰らない宇宙船。帰ることなど念頭に置かずに計画されたミッション・・・。

それは、冷戦下に於いて、どの国が先に生き物を宇宙に運ぶかという競争が行われていたからではなかっただろうか?

彼女は、技術の進歩の為の犠牲ではなく、ソビエト連邦という大国のプロパガンダに利用され、そして無残にも死んでいった犠牲者ではないだろうか?


  そして、遂に運命の日は訪れる・・・。


人の喜ぶ顔が見たかった。訓練に耐えた後、頭を撫でられ褒められるのが好きだった。だから、どんな過酷な訓練にも耐えた。他の犬よりも優秀な成績 を収めた。自分が野良犬だったから。モスクワの市街を歩いていたところ、優しい人に助けられたから。だから、どんなに辛くても彼女は耐えた。

今回もまた、帰ってきたらいつものように皆が褒めてくれるだろう。頭を撫でて優しく名前を呼んでくれるだろう。

ただそれだけのことが、彼女にとって最高のご褒美だったのだ。

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1957年11月3日――――――。
現地時間早朝。 スプートニク2号はバイコヌール・コスモドローム(Baikonur Cosmodrome)旧ソ連中央アジア・チュラタン発射場から打ち上げられた。

かわいい巻き毛のおんなのこを乗せて・・・。


  宇宙船は帰らない。


元々、どの国も他国よりも先に地球に生まれ呼吸をする生命体を空に飛ばしたかっただけ・・・。

しかし、国家は彼女のために、唯一大きな心遣いをしていた。それは、自動で給仕されるたった7日間の食料。最後の食事は再突入前に苦しまずに死ね るようにと毒薬を混入したものだった。

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  怖い怖い怖い・・・。


どれほどの恐怖が狭いカプセルの中の彼女を襲っただろう。

いつもの訓練では無いことを彼女はいつ悟ったのだろう・・・?

打ち上げ直後、ライカ(クドリャフカ)の脈拍や血圧は、地上にいるときの3倍にまで達した。そして、耐熱シートの一部が剥がれ、船内は異常な高温 に包まれる。

しかし、当時、ソビエト連邦は、彼女が7日間生存したと伝えた。そして、毒薬入りの食事を食べ、安らかに眠り、スプートニク2号は再び大気圏に突 入して塵となったと・・・。

ソビエト連邦崩壊後の2002年、米・ヒューストン市で開催された世界宇宙会議にて、モスクワ生医学研究所のディミトリー・マラシェンコフ氏は、 ライカ (クドリャフカ)が打ち上げ数時間後に過熱とストレスにより死んでいたと公表した。

「せいぜい(生きて)、6時間程だった」と彼は語った。

これは、出席していた研究者達に只ならぬショックを与えた。

宇宙開発において、犠牲は付きものである。

だが、1960年8月19日、犬2匹、ネズミ40匹、ラット2匹、その他いろいろな植物などを積み混み発射されたスプートニク5号は翌日回収さ れ、動物たちは全て無事帰還している。

ライカ(クドリャフカ)が犠牲になったデータがあってこそ出来たことだと言う人も居るだろう。しかし、せめて回収可能なものを作ってからライカ (クドリャフカ)を乗せるべきではなかっただろうか?


今はもう半世紀も昔。冷たく暗い空のはて。星になった犬が居た。
彼女の名前はクドリャフカ。可愛い巻き毛のおんなのこ。


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プロパガンダによる犠牲の恐怖は1986年1月28日、アメリカでも繰り返される。 「STS-51Lミッション」 スペースシャトル「チャレンジャー(Challenger)」は打ち上げ予定当日の気温が低く、低温下での打ち上げの危険性を指摘していた現場技術者の意 見が出ていたにも係らず、打ち上げられて1分13秒後に爆発。乗組員7名全員が死亡した。

現場からの声を無視した理由は何だったのだろうか・・・?

このミッションには「特別」なものが組み込まれていたからではなかっただろうか?

乗組員の人種、性別、宗教、出身、職業などは全て異なっていた。また、初の民間人である高校教師の女性が搭乗し、周回軌道上から生徒たちと交信す るという予定も入っていた。

正に、多民族国家のアメリカを象徴するかのような乗組員の選別の仕方。

また、打ち上げ強行の最大の理由は、毎年1月下旬に行われるアメリカ大統領の一般教書演説の原稿に民間人の乗ったチャレンジャー号の打ち上げがす でに書かれていたからだったと言われている。

当時大統領だったレーガンのため、ホワイトハウスはこの演説前にチャレンジャー号を打ち上げるようにとNASAに圧力をかけたのだ。


7人もの尊い命が、国家と政治のプロパカンダに利用されようとして散った。


先日、タイタンに無人偵察機が着陸した。

宇宙開発は私達人類にとって、既に欠かせない計画であることは間違いない。

ただ、今までに、あの空に散っていった命の一つ一つを私達は記憶に刻んで前進していくことが大切だ。


.....かわいい巻き毛のおんなのこ・・・
.....私はあなたを忘れない。
.....あなたの感じた寒さ、熱さ、恐怖、孤独・・・

.....あなたが最後に見たものは、遠く青い地球だったのだろうか?
.....あなたが最後の聞いたのは、冷たく唸る機械音だったのだろうか?

.....既にあなたを乗せた船は大気圏で燃え尽きた。
.....だけどあなたの魂は、まだ地球の軌道を回っているのだろうか?



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・・・何とも悲しいお話です。

しかし、私たちが知らない歴史の裏で、人間のエゴによってその命を散らしている動物たちは無数にいます。

科学や医学は、どれも犠牲があったからこそ、ここまでの発展を遂げて来れたのですから。

それを責める様な事はしません。
それで数多の犠牲は浮かばれますか?

しかし許す事は出来ません。
数多の犠牲を正当化しない為にも。



せめて私たちの記憶の片隅に刻み付けましょう。

人類のエゴで散っていった動物たちの中に、可愛い巻き毛のおんなのこがいたということを。

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